象嵌の中で最も技術が必要な素材は真珠と言われますが、黒蝶真珠に象嵌した商品です。
この真珠は、塩島敏彦氏によって再現されたピクウェは、べっ甲や蝶貝などの有機質に、純金、純プラチナなどの無機質を嵌め込む特殊象嵌の技法を用いています。
黒蝶真珠ピクゥエ
10㎜黒蝶真珠
参考価格300,000円
*Piqueの技法とは
ルイ14世の頃のフランスで生まれた技術で、その後オランダ、英国へと移転します。英国に渡り19世紀半ばまではトレイ、小箱、化粧道具入れなど実用具の装飾に多く用いられ、その後純粋な装身具用に用いられるようになりました。しかし、19世紀末頃を最後にpiqueは歴史の舞台からその姿を消します。
技術が途絶えてしまってから現代までの100年の間に、多くの宝飾職人達が、再びピクゥエを作り出すために製作することを試みましたが完遂することは出来ず、結局再現することの出来ない幻の技術として現在に至ります。 同時に、宝飾史家である山口遼氏曰く、「私の知る限り、ピクウェを復元しようという試みは世界中で全くない」との言葉にあるように、現在では塩島敏彦による技法が世界で唯一のpiqueの製造技法です。